本が教えてくれること。

本と映画と、ときどき私。

貧乏成人式

今週のお題「20歳」

 

20歳のとき。めちゃくちゃ貧乏だった。上京して大学に通ってはいたものの、仕送りが少なく、奨学金が生活費になることもしばしばあった。とにかく100円のものでさえ買うかどうか悩むし、お腹は空くし、心もすさんでいた。

そんな中、成人式が私にとって大きな問題だった。女の子なので、もちろん振袖を着たい!でもレンタルしても高いし、作るなんてことは、まぁ、無理だ。

そこで古着の振袖を探すことにした。東京には古着の着物屋さんがたくさんあったので、調べて、休みの日にでかけて見に行った。

古着の振袖はかなりリーズナブルだった。しかも、かわいいのがたくさんある。意外だった。もっとくたびれた、ボロボロのものしかないと思っていたら、新品のように今風の可愛い振袖がたくさんあった。

しかし、お金がない私にもこだわりがある!今風のピンクの可愛いのよりも、赤い、シックなシンプルな振袖がいい!そんなこだわりを持っていたが、何軒行ってもなかなかなかった。

そこで、最後に私が七五三で着た振袖を買ったお店に行った。その当時、母が本かネットで調べて、そこで買ったらしい。

そのお店は目黒にあった。お店に入ると、いままで入ったお店とは違い年季の入った佇まいだった。そして、これまた年季の入ったおねぇさんが接客してくれた。

「背が高いから、あなたの丈に会うのは2枚しかないよ」といって、取り出してくれたのはピンクの振袖と、赤い振袖だった。ピンクの振袖をまず羽織ってみると、ピンクで柄も可愛いのだが、今風じゃない、珍しい柄だった。めちゃくちゃ可愛くて、お金があったらなんか飾りとして欲しいぐらい可愛かった。でも、あんまり似合わなかった。

そして、もう一枚の赤い振袖だったがドンピシャだった。私が求めていたもの!シックな赤で、シンプルで!かっこいい!結局それをすんなり買った。それに「紋章が昔のお姫様が着ていたものよ~」なんて粋なこと言われたら、女子として心がときめかずにいられないよね!

七五三も成人式も同じお店の振袖なんて、なんか、いいやん。

お値段は、中の長襦袢もついて3万ちょっとだったと思う。その当時は私にとってめちゃくちゃ大金で、親に頭を下げて買ってもらったが今思うと、安いと思う。

当日の成人式では、帯はおばあちゃんの、下駄とバックはお母さんのを借りた。どれも見繕ったようにピッタリだった。着付けは、知り合いの着付けの先生がなんと無償で着付けてくれた。ありがとう、先生。

ちなみに、ネイルも母の知り合いの人が無償でやってくれた。なんか思い返すと、すごい、恵まれているなぁ。

なのでかかったお金は、着物代3万と、ヘアセット代7000円のみである。
でも、安くても色んな人の愛情と、思いやりが詰まった成人式だったなと思う。

ひとつ心残りがあるとすれば、その日に知り合いの写真屋さんに撮りにいったのだが、まだ写真をもらっていないことだ(笑)

取りに行くタイミングがわからず数年も経ってしまった。
今年こそはとりにいこうと思う。


ちなみにお店はここ。人がとてもよかった。

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